北ア常念山脈(長野) 常念岳(2857m) 2018年8月11〜12日  カウント:画像読み出し不能

所要時間

8/11
3:25 駐車余地−−3:32 林道終点−−3:54 古池−−4:24 大滝−−5:10 笠原沢−−5:57 最終水場 6:08−−6:51 常念小屋(テント設営) 7:34−−8:43 常念岳 11:05−−11:41 常念小屋(幕営)

8/12
3:46 常念小屋−−4:41 常念岳 5:36−−6:04 常念小屋 6:39 −−7:02 最終水場−−7:26 笠原沢−−7:53 大滝−−8:12 古池−−8:32 林道終点−−8:38 駐車余地

場所長野県安曇野市
年月日2018年8月11〜12日 1泊2日幕営
天候8/19:曇時々霧  8/20:晴後曇
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場林道途中に駐車場、駐車余地あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
1日目(一ノ沢→常念小屋→常念岳→常念小屋)
2日目(常念小屋→常念岳→常念小屋→一ノ沢)
コメントお盆休みが始まったのに大気の状態が不安定で山の上で好天が期待できず、手近な常念岳を往復とした。予想よりは天気は良かったが槍穂はほとんどの時間帯は雲の中で日曜早朝の山頂でも山々には雲がかかり大展望とはいかなかったが、山頂で見事なブロッケン現象を見ることができた。ガスの影響か雷鳥を見ることができた。先週末と比較して登山者数は大幅に少なかった。下山時に右膝の痛みが酷くなりしばし休養が必要に。


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1日目のルート断面図(一ノ沢→常念小屋→常念岳→常念小屋)
2日目のルート断面図(常念小屋→常念岳→常念小屋→一ノ沢)


今日は一番近い駐車場を確保できた 登山届を提出
大滝通過(4時24分)。まだ真っ暗 笠原沢。常念乗越方面はガスで見えない
左岸高巻き中。青空が見えた! 最終水場で水を3リットル補給
常念乗越到着。槍穂は雲の中 常念岳は方向は晴れている
今週のテント場。先週に比較して格段に少ない
大雨を予想し水が流れ無さそうな場所を確保 大天井岳はガスの中なので常念岳へ
横通岳方面。信州側からガスが上がってくる 常念岳へ向かう登山者の列
三股分岐までパーティーの列に加わった ガスに覆われた常念岳山頂
たまに山頂付近のみ晴れるが周囲は雲の山 蝶ヶ岳に向かう高校パーティー
山頂を後にしてテント場に向かう 常念岳では久しぶりの雷鳥
雛が何羽もいた 小屋に近いテント場(11時40分)
広い方のテント場。まだまだ少ない 午後4時のテント場。午後は時々晴れると強烈な暑さ!
星が見えたので常念岳を目指す 常念小屋を振り返る
山頂は時々ガスがかかる 東の空は雲海。志賀高原も雲海に沈む
ガスに包まれた常念岳山頂に到着 日の出時刻よりかなり遅れて太陽が登場
山頂でのブロッケン現象 常念岳から見たヒュッテ西岳
常念岳から見た蝶ヶ岳に続く稜線 常念岳から見た蝶ヶ岳ヒュッテ
常念岳から見た北信の山々
常念岳から見た穂高連峰〜槍ヶ岳〜大天井岳。これでも一番雲が薄くなったタイミングで、槍穂はずっと雲の中だった
常念岳から見た大天井岳方面。裏銀座は雲の中
下山前にやっと賑わってきた 見下ろすテント場はかなりテント数が減っている
テント場承着 撤収官僚
出発時には大多数が引き払った 小屋に近いテント場も撤収作業中
東の空は明るい雲海 一ノ沢
最終水場で一ノ沢沿へ 山の神。最近は往路はいつも真っ暗
最後の沢で水浴び 林道終点。今日も登山相談所に人が入っていた
堰堤横の駐車場。どんな関係者が利用? 最近は路側にも車が並ぶようになった
駐車場到着


 今年のお盆休みスタートは天気が良くない。天気図はあからさまに悪いわけではないが、高気圧に覆われたわけでもなく気圧の谷にいるわけでもなく、山の地形で表せば緩斜面にいるような状態ではっきりしない。しかも沖縄方面に台風があり湿った南寄りの風が吹き込んで大気の状態が不安定で、下界で晴れても山の上はガスるパターンだ。当初は糸魚川の蓮華温泉から朝日岳〜白馬岳〜白馬大池と幕営2泊で周回予定だったが、天気予報では初日は丸一日雨の予報で急遽予定を変更し、先週同様に常念岳とした。どうせ山頂はガスって展望皆無の可能性が高く、時間がかかる山に登ってもがっかりするだけなら何度も登った常念岳でいいだろう。天気予報では火曜から天候が安定するとのことで、お盆休み前半は軽い行程にして火曜日以降にもっと楽しめる山にした方がいいと判断した。しかしながら早朝のみ晴れる可能性があり、一ノ沢ルートから登って常念小屋で幕営し、翌朝朝一に山頂を往復することにした。

 今週金曜夜の一ノ沢の駐車場は先週と大違いでガラガラだった。やはり天気予報の影響でお盆休み前夜にも関わらず入山者が少ないようだ。国道19号線を走行中には豪雨と雷で運転するのが危険なくらいだったが、登山口では雨は止んだが濃い霧に覆われていた。夜中に一時的に星空が見えたが夜明け前は再び星は見えなくなっていた。稜線の天気がどうなっているのか全く分からないが、計画通り1泊幕営装備を背負って3時半前に出発。天気がいい日にはこの時刻でもライトを点灯して歩く登山者が少なからずいるのだが、本日は皆無で真っ暗な中を一人で歩いていく。曇っているせいもあるが今の時期は樹林帯で明るくなるのは5時近く。日の出の時刻はかなり遅くなってきた。

 笠原沢付近でようやく一ノ沢上流部が見えるようになるが雲がかかっている。やっぱり稜線に出てもガスに巻かれるのかなぁ。まあ、テント泊では直射日光は暑すぎて困るので雨さえ降らなければ快適とも言えるが。一ノ沢右岸へ道が移り沢沿いを登って胸突き八丁で左岸の高巻き。ここで雲の切れ間から青空が見えてもしかしたらここはまだ雲海の下で稜線上は晴れている可能性が。あまり期待はしないが思ったよりは天気はマシかもしれない。

 最終水場で2日分の水、3リットルを補給して常念乗越を目指して最後の急登。ここでやっと下山してくるハイカーとすれ違うようになる。時刻は6時過ぎ。小屋でのんびり朝飯を食うとこのくらいの時刻かな。小屋泊まりではありがちなパターンで、まとまって次々と降りてくる。

 常念乗越直下で森林限界を超えると頭上には青空が広がる。常念乗越に出ると常念岳方向は晴れているが槍穂は雲に沈んでいて、登ってきた安曇野側は弱い風に吹かれてガスが吹き上がっていた。予想外に天気は良好。赤岩岳の稜線がかろうじて雲の下なので雲の底辺の高さは標高2800m程度だろう。おそらく大天井岳は雲の中だろうが、この感じだと常念岳山頂は大丈夫だろう。

 撤収中のテントがある中でこちらは設営。今は太陽が出ていても今後は雷雨の可能性が高いので雨が降っても水が流れ込まないような場所を確保。今はほぼ無風だが雷雨が来ると局地的な強風のおまけが付くのでテントの張綱はしっかりと張っておく。また、大雨になったらテントの中に浸水も考えられるので荷物が濡れないように配置を考えて荷物をデポする。軽く腹ごしらえして常念岳を往復することにした。天気によっては先週同様に大天井岳往復も頭にあったが、あちらは確実に山頂はガスっているだろうし日中の雨の確率を考えると常念岳でいいだろうと判断した。気温は高めで防寒具は不要だろうと思えたが雨具の他に念のために持っていくことにした。

 先週と違って今週は人もテントも少ない、というか先週が異常に人が多かったと思えるが。それでも常念岳登山道にポツポツと登山者の姿が見えている。常念乗越から常念岳山頂は見えないのでガスがかかっているかどうかは正確には分からないが、どうやらギリギリの状態らしい。それでも明日朝はもっといい天気になるとは限らないので今日のうちに登っておいて損はないだろう。

 雷鳥を期待して左右をキョロキョロ見ながら岩ゴロゴロの登山道をジグザグに登っていく。先週朝より格段に登山者は少ないが、それでもザックを背負って蝶ヶ岳方面へ縦走のパーティーの列も。こちらは軽装で登っているのでパーティーの列に追いつき、そのまま列に加わってゆっくりと登っていく。パーティーは三股分岐で休憩したのでここで追い越していつものペースに復帰、最後の急登で常念岳山頂に到着。

 残念ながら山頂はガスに覆われて展望皆無。時々ガスが切れることがあっても晴れているのは頭上のみで周囲は雲の壁に囲まれてやっぱり展望は皆無。ただし、気温が高いのでガスで日差しが遮らている間の方が涼しくて快適に感じる。山頂にやってくる登山者数は少なく、この状態なので山頂では写真撮影と短時間の休憩で出発していくため山頂が賑わう時間は大パーティーがやってきたときのみだった。こちらはテントに下ってもやることが無いので山頂で昼寝。天候が回復する気配はなく、テント場もこのガスの状態なら日中でもテント内が蒸し風呂状態にはならずに快適に昼寝できるだろうと昼前に下山。

 テント場に到着するとまだテント数は少なかった。日中にガスって日差しが無くテント内で昼寝できるのは今年初めてだ。まあ、天気がいい日にしかテントを背負って入山しないので当然と言えば当然だが、この夏は日中でも熱雲が上がってくることがほとんど無くて雷雨にも会っていないので、大気の状態が安定しているのは間違いない。このままずっとガスかと思ったら午後になって太陽の方向、つまり槍沢方面のみガスが切れて青空が見えるようになり日差しが出てしまった! こうなると滅茶苦茶暑くてテント内にいることは不可能で、外に出て傘を差して直射日光を避けた。テントは徐々に増えていったが先週ほどには達しなかった。お隣の4人パーティーはガテン系の兄ちゃん連中で、まだ山は初心者らしく仲間の一人のテント設営に苦労していた。まだ装備の軽量化には不慣れなようで、ガラス瓶のワインやウィスキー、椅子を担ぎ上げるなど快適装備に重きを置きすぎてここまで登ってくるのに相当苦労したようだ。何度も登るうちに本当に必要なものは何か、自分にとって削れない快適装備は何なのかも分かって、もっと軽量化できるようになるだろう。

 夜になるとガスがかかるようになり、夜中には僅かながら雨が降った。しかし気温はかなり高く+14℃くらいあって寝袋に入ると暑いくらいだった。明け方に近づくとガスが切れる時間帯もあり時々星が見えることもあったがガスっている時間帯の方が長く、山頂で展望が得られそうか微妙な情勢だったがとりあえず山頂へ行ってみることにして朝飯を食って出発。まだ4時前で真っ暗で、周囲のテントでも明かりが見えるのは少なかった。ついでに常念岳に向かう登山者のライトの列も先週と比較して格段に少なかった。西寄りの風がややあるが気温は高めなので最初から半袖短パンの姿で歩き始めた。先週は最初から登山者の列に巻き込まれたが今日は近くにライトの光が無く、最初から最後までマイペースで歩くことができた。常念乗越付近はガスがかかるタイミングは少なかったが高度を上げて山頂近くではガスがかかる時間帯と切れる時間帯は半々くらいだった。

 ガスがかかったタイミングで山頂に到着。先週は大賑わいだったが今日は山頂にいるのは数人のみ。風を避けられる場所で防寒着を着込んで日の出を待つ。ガスが切れたときに見える景色は東は一面の雲海で志賀高原の山々や四阿山、浅間山も雲の下。当然ながら八ヶ岳や南アルプスは全く見えない。蝶ヶ岳への稜線は見えているが穂高、槍方面は雲が張り付いたままで最後まで山の姿は見えなかった。裏銀座方面も同様で、餓鬼岳までの常念山脈だけが姿を見せていた。後立山で見えるのは蓮華岳のみ。残念ながら今日の展望はイマイチだ。でも日の出直後にガスが切れた短時間に今年初めての明瞭なブロッケン現象が見られた。これはガスがかかってくれたいい影響だ。しかしブロッケン現象が見られたのは1分程度であった。徐々に登ってくる人が増えてきたが展望は変わらず、これ以上良くなる気配も無いので下山開始。

 登りでは右膝に僅かに痛みを感じる程度でほとんど影響はなかったが下りでは痛みが強くなってきた。この夏はここ1か月くらい右膝にずっと違和感を感じていたが明瞭な痛みとなって表れたのは初めてであった。おそらく下山時のスピードが速すぎて膝への負担が大きかったのが原因だろう。白馬大雪渓では幕営装備で半分走ったからなぁ。特に傾斜がきつい場所では膝への負担が大きく、常念岳の下りはちときつかった。今回は一ノ沢ルートなので一ノ沢沿いまで下れば傾斜が緩くて助かるが膝に負担がかかるのは変わりがなく、膝の状態が今より悪化するのは確実、下山後は回復にどれくらいかかるか心配だ。お盆休み開始早々に膝を痛めてしまったので、今後の計画は膝の様子を見て考える必要がありそうだ。

 テント場に戻るとテント数はかなり減っていた。豪勢に濡れたテントは灼熱の下界で乾燥させることにして、外側の水滴をタオルでふき取って畳み、ビニール袋に入れて水分が外に出ないようにしてからザックに収納。たっぷりと砂が付いたままだが濡れているのだから仕方がない。今回も45リットルザックにすっぽりと収まった。出発前の様子では槍穂方面の雲がさらに増えて空が暗くなってきたような。残念ながら槍の姿は今日は見えないだろうな。

 下山はいつもよりスピードを落として右膝をかばいながらとなった。膝を曲げたときの痛みがきついが歩けないほどではなく、特に段差が大きな下りでは速度を落として右足の段差が小さくなる足場を探しながら歩いた。こんな時にはストックがあるといいのだろうが私は所持していない。このまま膝の痛みが長期化した場合はストック導入が必要かも。

 先週と比較して下山者も登山者も格段に少なかった。天気予報では今日も明日も大気の状態が不安定で、今日と同じような天候が続きそうな。これから入山する人は日中の雷雨の確率も高いままで雨に降られないか心配だ。今年のお盆の天気は外れだなぁ。でも気温が高い下界に下るときには天気が悪い方が日差しが無くて助かる。

 一ノ沢沿いに出たところでタオルを洗って水をたっぷり含ませて首筋の冷却に利用。雲海の層に突入すると天然ミストでさらに涼しい。山の神を通過して最後の沢で汗を拭って林道へ。これから登り始める登山者の姿があった。堰堤横の駐車場は何台も車が止まっているが小屋関係者でこれだけの車の数になるわけはなく、いったいどんな関係者なのか謎だ。そのすぐ下の路側駐車余地には駐車の列。最近ではここが最上部の駐車スペースとなっているようだ。

 私が駐車した駐車場所に到着。車は1台増えて3台に。雲海の下で日差しが無いので車の中も涼しくて助かった。着替えて運転席に座るが右膝の状態は悪く、軽く膝を曲げた状態でも痛みがあった。自宅に戻っても階段の上り下りで膝の痛みが強く、しばらくは休養が必要な状況だった。

 なお、その後の天気は予報通り不安定な状況が続き、毎日のように日中から夕方にかけては北アルプスに雨雲がかかっていた。また、金曜夜の天気予報では火曜日から天候が安定するとのことだったが実際には不安定な天気が続き木曜日には前線が南下して後立山北部は大雨になったようだった。今年のお盆休みは天気が極端に悪くはなかったがいいとは言えない状態だった。

 

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